私たちの体は、約200個の骨によって骨格が形成されています。骨は身体を支える以外にも、様々な機能を持っています。
機能 | 役割 |
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支持機能 | 骨格によって、身体の様々な器官の重量を支える。 |
運動機能 | 腱を介して、可動性のある関節を支点として運動させる。 |
保護機能 | 脳、心臓等の柔らかい(弱い)臓器を保護する。 |
造血機能 | 骨髄(赤色骨髄)で、赤血球や白血球等の血液細胞をつくる。 |
貯蔵機能 | カルシウム、ナトリウム等のミネラルを蓄え、必要に応じて血液中に放出する。 |
骨は、一度作られるとその後変わらないように見えますが、実は常に新しく作り替えられています。「破骨細胞」と呼ばれる細胞が古くなった骨を溶かして破壊します。(これを”骨吸収”と言います)
壊された部分には、「骨芽細胞」と呼ばれる骨を形成する細胞が付着し、コラーゲンなど骨基質の合成、石灰化を行い、新しい骨を形成していきます(これを”骨形成”といいます)。約3年という期間をかけ、全身の骨を新しいものへ作り替えます。
このサイクルを「骨代謝(リモデリング)」といい、骨吸収と骨形成のバランスを保つことで健康な骨を維持することが出来ます。
「骨粗しょう症」とは、骨量や骨密度が低下し、骨がもろくなったり、弱くなったりする病気です。一般的に、加齢とともに骨粗しょう症になるリスクが高くなり、特に女性に多くみられます。
骨粗しょう症になると、骨折や骨格変形などの痛みだけではなく、身長が縮んで身体の重心がずれ、転倒・骨折しやすくなってしまいます。
また、骨粗しょう症による圧迫骨折は、背中が曲がり腹腔の容積が減少して心肺機能の低下を引き起こす等、日常生活の活動性の低下に大きく影響します。
正常な骨は、骨形成と骨吸収のバランスが保たれています。しかし、副甲状腺ホルモン(骨吸収促進ホルモン)、カルシトニン(骨吸収抑制ホルモン)、女性ホルモンであるエストロゲン(骨形成を進め、また骨吸収を抑える働きがあるホルモン)など、骨代謝を調節するようなホルモンバランスが崩れると、骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨を破壊する破骨細胞が優勢に働いてしまう為、骨粗しょう症が引き起こされるのです。
高齢の女性で骨粗鬆症の発症率が高いのは、閉経後、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が激減し、骨吸収促進ホルモンの分泌が増え、破骨細胞の働きが増強されるからです。このように骨粗鬆症にはホルモンバランスが深く関わっているのです。
ここでは、「骨代謝」に対するアサイゲルマニウムの作用研究についてご紹介します。
老人性骨粗しょう症患者21名のうち、6名にアサイゲルマニウムを1日1500mg、12ヵ月間飲用していただき、飲用前、飲用後3,6,9,12ヵ月後の左橈骨(肘から手首につながる骨)の骨塩量を調べました。
アサイゲルマニウムを飲用していない患者の左橈骨の骨塩量は12ヵ月間の観察期間中に徐々に減少していくのに対して、アサイゲルマニウムを飲用していただいた患者は、骨塩量の減少が有意に抑えられていることが認められました。
さらに、その後の臨床研究で、より少ないアサイゲルマニウム量でも同様の効果が得られることがわかっています。
骨髄には、あらゆる臓器の細胞になれる幹細胞があり、骨芽細胞もその幹細胞から分化発達して形成されます。この実験では、アサイゲルマニウムのラット骨髄間質細胞の骨芽細胞への分化と石灰化に対する作用について検討しました。
ラットから採取した骨髄細胞を培養液で7~10日間培養し細胞を増やした後、細胞を一定量ずつアサイゲルマニウム(0.1~10μg/ml)を加えた試験用のシャーレに入れて30日間培養しました。その過程で経時的に石灰化部位面積を調べました。
石灰化面積は、アサイゲルマニウム添加群、無添加群ともに培養16日目以降で増加が見られ、培養19日目と30日目において、アサイゲルマニウムを添加していない群と比較し、アサイゲルマニウムを添加した群では骨にカルシウムが沈着したことを示す石灰化の面積を明らかに増やすことがわかりました。
この実験では、アサイゲルマニウムが破骨細胞の形成に対してどのように作用するかを検討しました。
6週齢のマウスの大腿骨および脛骨から骨髄間質細胞をシャーレに取り出し、7~10日間培養しました。その後培養した細胞を取り出し、ST2細胞というマウス骨髄細胞由来の骨芽細胞と共存させて8日間培養し、破骨細胞が染まるTRAP染色という方法で染色して、染まった破骨細胞(TRAP陽性細胞)数をカウントしました。
破骨細胞前駆細胞(骨吸収の能力を持たない未成熟な破骨細胞)は単核の破骨細胞に分化した後、それらが融合して多核の巨細胞に成熟します。まず、単核の破骨細胞を染色して数をカウントしたところ、骨吸収促進ホルモン(PTH)を添加した群は、骨吸収促進ホルモンを添加しない群と比較し、破骨細胞(単核細胞)数が増えます。しかし、アサイゲルマニウムを加えることによって、濃度依存的に骨吸収促進ホルモンの有無に関わらず、単核破骨細胞の数が減少する結果となりました。
多核の破骨細胞の数についても同様に評価しました。
結果-1と同様に、骨吸収促進ホルモン(PTH)を添加した群は、骨吸収ホルモンを添加しない群と比較し、破骨細胞(多核細胞)数が増えます。しかし、アサイゲルマニウムを加えることで、濃度依存的に骨吸収促進ホルモンの有無に関わらず、有意に成熟した多核破骨細胞の形成が抑えられました。
アサイゲルマニウムを摂取することで、破骨細胞の形成を抑制するがことがわかりました。
ヒトの臨床試験では「骨塩量の減少を抑制する」という結果が得られました。
また、基礎研究でも骨髄細胞から骨芽細胞への分化及び骨の石灰化を促進し、一方で破骨細胞の形成を抑制することも示されており、基礎研究の結果は臨床試験の結果を裏付けていると考えられます。