2025年5月31日(土)〜6月1日(日)に開催された「第26回 日本認知症ケア学会大会」において、研究成果をポスター発表しました。
タイトル: 有機ゲルマニウム及びホタテ由来プラズマローゲン含有食品の脳機能への効果に関する研究
会場 : 福岡国際会議場(福岡市)
発表者 : 企画部 土井山爽太
※全文はポスターのPDFでご覧いただけます(本文中にもリンクあり)。
1.研究内容
軽度認知障害(MCI)の高齢者を対象に、ホタテ由来プラズマローゲンと有機ゲルマニウム(アサイゲルマニウム)を配合した健康食品を摂取したとき、脳の働きや日常生活の状態にどのような影響があるかを調べました。
2.方法
- 摂取内容: ホタテ由来プラズマローゲン0.5 mg+アサイゲルマニウム30 mgを1日2カプセル、24週間(約6か月)、毎朝摂取
- 評価時期 : 摂取開始前、摂取開始1・3・6か月後、摂取終了1か月後
- 評価項目: ①認知機能(MMSE※、かな拾いテスト)、②行動・心理症状(寝つき・感情・集中力など)、③安全性と有用性
※MMSE(Mini‑Mental State Examination):認知症の疑いがある場合に使われる神経心理検査。時間・場所の見当識、記憶力、計算力など 11 項目を評価する。
3.結果
〈①認知機能〉
- MMSEでは、計算の点数とMMSE合計点が向上しました。
- 一方で、かな拾いテストには有意な変化は認められませんでした。
- 摂取終了1か月後も、良好な状態が続く可能性が示唆されました。

〈②行動・心理症状〉
- 寝つき・集中力・感情に改善が認められました。
- 〈①認知機能〉の評価と同様に、摂取終了1か月後まで良好な状態が継続する可能性が示唆されました。

〈③安全性と有用性〉
- 概括安全度:一部に多弁や軽い頭痛がみられましたが、大きな問題は報告されませんでした。
- 有用性:本食品を「有用」または「やや有用」と評価した方は、58%でした 。
4.まとめ
本食品(ホタテ由来プラズマローゲン+アサイゲルマニウム)は、MCIの認知機能の維持・向上や日常生活機能の改善に役立つ可能性が示されました。これらの成分摂取による安全性にも大きな問題は認められませんでしたが、各成分を単独で摂取した場合との比較など、さらなる検証が必要です。
5.補足
- 本研究は健康補助食品に関するものであり、病気の診断や治療に取って代わるものではありません。
- 研究の詳細については、下記の画像をクリックしてください。PDFファイルが開きます(ダウンロード可)。

参考文献
Fujino et al., Effects of Plasmalogen on Patients with Mild Cognitive Impairment: A Randomized, Placebo-Controlled Trial in Japan, J Alzheimers Dis Parkinsonism 2018, 8:1, DOI: 10.4172/2161-0460.1000419