当社はこのたび、所蔵するフィルムの一部をNPO法人「科学映像館を支える会」に提供しました。同会により6本の映像がデジタル化され、科学映像館の公式WebサイトとYouTubeチャンネルで公開されています。
これらは、1950年代から1960年代にかけて撮影された貴重な記録映像であり、当社の前身である財団法人石炭綜合研究所に関する映像を中心としています。6本の中には、現在の当社事業につながるゲルマニウムの研究を記録した映像も含まれています。
当時の技術や暮らしを伝える貴重な記録を、この機会にぜひご覧ください。
公開映像一覧
各映像は、科学映像館公式WebサイトまたはYouTubeでご覧いただけます。詳しい解説は、科学映像館公式Webサイトの各作品ページに掲載されています。
1. 石炭の加工利用
石炭綜合研究所が、石炭の加工利用(粉砕・選炭・練炭・乾留)に関する研究技術や試験設備を紹介する映像です。
石炭の組織成分のうち、コークス化性の良い「ビトリット」(木質部分)を優先的に分離するため、石炭を細かく粉砕して効率的に分離・回収し、さらに冶金用のコーライト(低温乾留により得られるコークス)やコークスへ転換するまでの当時の石炭加工利用技術を記録しています。
※以下のボタンから各映像にアクセス可能です。
2. ガス液よりゲルマニウムの回収
1950年代初頭から産学官にて進められた、半導体材料としての国産ゲルマニウム研究を記録しています。石炭綜合研究所、東京瓦斯株式会社、関東タール製品株式会社による製作です。
石炭の乾留で生じる廃ガス液に含まれるゲルマニウムが、精製・加工を経てトランジスターになるまでをたどる、戦後日本の石炭化学と半導体技術を結ぶ内容です。
3. 三池炭鉱の石炭採掘
三井三池炭鉱三川坑(福岡県大牟田市)における石炭の採掘、搬出などの様子を収録した映像です。
採炭現場である切羽で作業する鉱員のほか、鋼支柱、カッペ(鋼支柱と組み合わせて坑内の天盤を支える金属製の梁)、トロッコによる石炭搬出など、当時の採炭現場の様子が記録されています。
4. 三井山野炭鉱の作業風景と鉱員施設
三井山野炭鉱(現在の福岡県嘉麻市)における作業風景と、鉱員の生活や厚生施設を収録した映像です。
石炭が日本の主要なエネルギー源であり、「黒ダイヤ」と呼ばれていた時代の、貴重な坑内外の様子が記録されています。
5. 反撥式粉砕機
映像1の『石炭の加工利用』と大部分が共通する映像です(異なるカットの収録、一部の場面省略)。
6. エジプト・スリランカ・マレーシアなどをめぐる航海旅行(1953~1962年頃)
当社創設者・浅井一彦が所蔵していた旅行記録フィルムです。日本人旅行者がエジプト、スリランカ、マレーシアなど、海外各地をめぐる船旅の様子を記録しています。
NPO法人「科学映像館を支える会」について
NPO法人「科学映像館を支える会」は、2007年に、理事長の久米川正好氏(明海大学名誉教授)によって設立されました。科学映像館での貴重なフィルム映像の保存・配信のために活動しています。
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調査協力
映像1、3、4の調査にあたっては、九州産業大学商学部の草野真樹准教授にご協力いただきました。
- 関連論文
草野真樹. 第二次大戦後におけるわが国石炭産業の技術導入 ―炭鉱技術者浅井一彦と財団法人石炭綜合研究所の活動に焦点をあてて―. エネルギー史研究 : 石炭を中心として. 2002, 17, p. 1-30.
https://doi.org/10.15017/13773
関連ページ
- 会社沿革
石炭綜合研究所の創立から当社の現在までの歩み - 浅井一彦とアサイゲルマニウム ― 石炭綜合研究所期(1945~1968年)
浅井一彦と石炭・採炭技術の研究(鋼支柱、カッペ他)、ゲルマニウム研究の歩み