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学術誌に論文掲載|アサイゲルマニウムの加水分解産物THGPが、関節炎モデルマウスの症状改善を示唆

2026年発行の『北海道医学雑誌』第101巻第1号に、アサイゲルマニウム®(Ge-132)が水に溶けた状態のTHGPに関する研究成果が掲載されました。

本研究は北海道大学遺伝子病制御研究所との共同研究であり、THGPが関節リウマチの病態に関わる「IL-6アンプ(※1)」(炎症を強める仕組み)の活性化を抑え、関節炎モデルマウスで関節炎スコア、関節局所の炎症、骨破壊に関わる細胞の増加を抑えることが示されました。

※本研究はマウスおよび細胞を用いた基礎研究であり、ヒトにおける有効性や安全性を直接示すものではありません。

掲載情報

  • 掲載誌:北海道医学雑誌 第101巻第1号(2026年)
    Hokkaido Journal of Medical Science 101(1), 23-31
  • 論文タイトルアサイゲルマニウム(Ge-132)加水分解産物THGPはIL-6アンプ活性化を抑制し、F759マウスモデルにおける関節炎を改善する
  • 英語タイトル:The hydrolysis product of Asaigermanium® (Ge-132), THGP, suppresses IL-6 amplifier activation and ameliorates arthritis in the F759 mouse model
  • 著者:王 亜澤1,2、蒋 菁菁3、島田 康弘4、中村 宜司4、田中 勇希2,3、田中 宏樹3
  • 主な所属:
    1: 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 量子センシンググループ 次世代量子センサーチーム
    2: 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 量子センシンググループ 量子免疫学チーム
    3: 国立大学法人北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子神経免疫学分野
    4: 株式会社浅井ゲルマニウム研究所 研究部

1.研究の概要

関節リウマチは、関節の内側にある滑膜で炎症が続き、痛みや腫れ、骨の破壊につながる慢性疾患です。近年は、免疫細胞そのものだけでなく、関節の周りにある細胞が炎症を強める仕組みとして「IL-6アンプ」が注目されています。IL-6アンプとは、関節の周りの細胞で炎症の信号が重なって働くことで、IL-6などの炎症物質がさらに多く作られ、炎症が長引きやすくなる仕組みです。

本研究では、アサイゲルマニウム(Ge-132)の加水分解産物であるTHGPが、この炎症増幅の仕組みにどのように作用するかを、関節炎を自然発症するマウスモデルであるF759マウスと、ヒト腎臓由来の上皮細胞株(RPTEC、※2)を用いた細胞試験で検討しました。

2.方法

1) 動物試験:F759マウスに0.1%THGPを含む飲用水を12か月継続投与し、関節炎スコア、足関節の所見、組織変化を評価しました。

2) 免疫細胞解析:脾臓および骨髄の細胞を解析し、どの細胞集団に変化が見られるかを確認しました。

3) 細胞試験:ヒト腎臓由来の上皮細胞株(RPTEC)にATPを加えてIL-6アンプを活性化させ、THGPがIL-6遺伝子発現やp65(※3)活性に与える影響を調べました。

3.結果

  • THGP投与群は、コントロール群と比較して関節炎モデルマウスの関節炎スコア(腫れなどを評価する指標)が顕著に低下し、かかとの関節部の腫れや硬直は起こらず、同部位付近の紅斑も抑制傾向が認められました。
  • 関節の内側を覆う滑膜では、炎症を強める2つのシグナル(p65とSTAT3 ※4)の働きがTHGP投与によって弱まり、関節組織に炎症性の細胞が集まる動きも減少しました。
  • また、脾臓では一部のT細胞を除いて多くの免疫細胞の集団には大きな変化が見られず、免疫全体を広く抑えるのではなく、炎症部位や骨髄系細胞に対してより選択的に働く可能性も示唆されました。
  • 骨をこわす細胞である破骨細胞(※5)と、その前駆細胞(破骨細胞前駆細胞)の増加が抑えられました。
  • 細胞試験では、ATP刺激によって高まるIL-6遺伝子発現と、p65の活性化に関わるリン酸化が、THGPにより抑えられました。これにより、「IL-6アンプ」と呼ばれる炎症増幅の仕組みが抑えられる可能性が示されました。

4.まとめ

5.本研究の意義と今後の展望

今回の結果により、THGPが、関節リウマチで問題となる炎症の「増幅」に関わる仕組みへ作用する可能性が示されました。既存の関節リウマチ治療薬は、免疫応答を抑えることで症状を和らげますが、長期の使用による副作用が課題となることがあります。

本研究は、THGPが既存薬とは異なる作用点で、関節局所の炎症増幅の抑制に関わる可能性を示したものであり、新たな治療戦略の手がかりになる可能性があります。

6.用語メモ

  • THGP
    3-(trihydroxygermyl)propanoic acidの略称。浅井ゲルマニウム研究所の「アサイゲルマニウム®」(有機ゲルマニウム)が水に溶けた状態の分子です。
  • ※1 IL-6アンプ
    関節の周りの細胞で炎症の信号が重なって働くことで、IL-6などの炎症物質がさらに多く作られ、炎症が長引きやすくなる仕組みです。
  • ※2 ヒト腎臓由来の上皮細胞株(RPTEC)
    本研究では、ATP刺激によるIL-6アンプの活性化と、それに対するTHGPの影響を評価する細胞モデルとして用いられました。
  • ※3 p65
    NF-κBという炎症シグナルを構成する因子の1つです。
  • NF-κB
    炎症に関わる遺伝子の働きを高めるシグナルです。
  • ※4 STAT3
    炎症や細胞応答に関わるシグナル伝達因子です。
  • ※5 破骨細胞
    骨をこわす働きをもつ細胞で、核を複数持つのが特徴です。
    破骨細胞に分化する前の細胞を「破骨細胞前駆細胞」と言い、本文中でも用いています。
  • ※6 パンヌス
    関節リウマチでみられる、炎症によって厚く増えた滑膜組織のことで、関節の破壊に関わります。

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