抗ウイルス

私たちの身の回りの、ありとあらゆる場所にウイルスは存在しています。
アサイゲルマニウムのウイルスに対する研究は1980年代より行われていますが、 その中からインフルエンザウイルスに対する作用についてご紹介します。

インフルエンザウイルス感染後のマウス生存率が向上

インフルエンザウイルスの感染によって、時に肺炎などを引き起こし、死に至ることもあります。

方法

マウスに半数致死量の10倍(10LD50)のインフルエンザウイルスを感染させ、その直後より6日間、アサイゲルマニウムを0, 20, 100, 500 mg/kg経口摂取させました。

結果

アサイゲルマニウムを摂取した群で、生存率の向上が見られました。特に、100 mg/kg摂取した群で最も高い生存率が認められました。

出典:CHEMOTHERAPY, 34(8);665-671, 1986

インフルエンザウイルス感染後の肺の炎症を抑制

ウイルスに感染すると、気管支の上皮細胞は死んでしまいます。そこへ免疫細胞が集合し、過剰な炎症が起こることで、肺炎が悪化します。

方法

マウスにインフルエンザウイルスを感染させ、その直後より6日間、アサイゲルマニウムを0, 20, 100, 500 mg/kg経口摂取させました。

結果

感染11日後の肺のコンソリデーション値*は、アサイゲルマニウムを与えた群で、有意に低くなっていることが分かりました。つまり、アサイゲルマニウムによって、肺炎の悪化を抑制することが期待されます。

*コンソリデーション:炎症によって組織が硬化した状態

出典:CHEMOTHERAPY, 34(8);665-671,1986

インフルエンザウイルスの増殖を抑制

ウイルスは体内に入ると、細胞内に自らの遺伝情報(DNAやRNA)を注入します。そして、細胞が持つ遺伝情報増幅機能(RNAポリメラーゼ)を使い、ウイルスを増殖させます。体内にウイルスが増殖することで、症状が重症化します。

方法

アサイゲルマニウムを与えた細胞で、RNAポリメラーゼの活性(ウイルスが増殖する能力)を調べました。

結果

RNAポリメラーゼの活性は、アサイゲルマニウムの濃度が高いほど抑制されました。つまり、ウイルスの増殖する力を抑えることが期待されます。

出典:Viruses 2021, 13(9), 1674