ニュースNews & Information

インフルエンザはただの風邪??

2019.01.16

健康コラム

いよいよ新年を迎え、寒さも厳しさを増す時期に差し掛かりました。

この厳しい寒さとともに、インフルエンザの流行も始まりますね。

今回はそのインフルエンザについてのお話です。

 

pixta_24100200_S

 

● インフルエンザってどんなもの??

ご存知の通り、インフルエンザウイルスに感染することによって発症します。

このウイルスを病原とする「気道感染症」をインフルエンザと呼び、「重くなりやすい疾患」として「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべきとされています(国立感染症研究所HPより)。

 

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型がありますが、人では主にA型とB型が流行します。

その年によって流行するウイルスの型が違うために厄介なのです。また、感染力が非常に強いのも特徴です。

インフルエンザにかかると、

● 38~40℃の高熱

● 頭痛

● 関節痛や筋肉痛

● 倦怠感

このような症状が急激に現れます。そして、これらと同時あるいはその後に上気道(鼻腔から喉頭)の炎症状態、いわゆる咳や鼻水などの症状が出てきます。

 

つまり

風邪っちゃ風邪なんだけど、重くなりやすいので気をつけなきゃ!

ということです。

 

● インフルエンザの予防法は?

インフルエンザは「重くなりやすく」、「感染力が強い」疾患ですので、予防が大事です。

特に「ハイリスク群」に当てはまる方にとっては、重症化や合併症を避けるためにも予防が重要になります。

 

<ハイリスク群>

  1. 65歳以上の高齢者
  2. 妊娠している方
  3. うっ血性心不全などの心疾患を有する方
  4. 慢性腎不全・透析患者・腎移植患者など腎疾患を有する方
  5. 慢性気管支炎・気管支喘息などの慢性呼吸器疾患を有する方
  6. 糖尿病などの代謝異常を有する方
  7. ステロイドなどの薬剤投与による免疫不全状態の方

 

では実際にどのような予防法があるのでしょうか?

 

<ワクチン接種>

ワクチン接種によって、完全に感染を防げるわけではありませんが、感染したとしても症状緩和に役立つと言われています。

特に子どもや、感染時に重症化の危険がある「ハイリスク群」の方には有効です。

pixta_3418618_S

 

<帰宅後の手洗い・うがい>

基本中の基本ですが、帰宅後に手を洗うことによって、接触による感染を防ぐことができます。

ウイルス表面のタンパク質は石鹸によって変性し、感染力を失います。

うがいは喉の洗浄だけではなく、喉を乾燥から守る役割もあります。

この時期は是非とも手洗い・うがいを心がけましょう。

 

 

<温度・湿度の管理>

インフルエンザウイルスは寒くて乾燥している環境を好み、逆に暖かくて湿潤な場所を嫌います。

特に室温を20~25℃、湿度を50~70%になるようにして40%を下回らないように気を付けると、インフルエンザの感染力を抑えることができると言われています。

暖房をつけるときは加湿器を使用したり、敢えて洗濯物を部屋干しするなどで、室温と湿度を保つことができます。

Humidifier spreading steam into the living room

<栄養・休養を十分にとる>

免疫力や体力を維持するためにも十分な食事と休養は大切ですね。

 

<人ごみを避ける>

ウイルスを一番もらいやすい場所は人ごみです。人ごみを避けると、ウイルスも避けられます。

通勤や通学などで電車に乗ったり、人が多いところを歩かなければいけない時はマスク着用が有効です。

 

<マスクをする>

マスク着用によって、咳やくしゃみなどで飛散したウイルスからの感染を防ぐことができます。

実際にインフルエンザ流行時期に病院内でマスク着用による飛沫感染予防に取り組んだところ、有効であることが報告されています(環境感染 Vol.21 No.2, 2006)。

 

pixta_44690159_S

 

● インフルエンザにかかったら?

予防をしていても、かかることもあります。

38℃以上の熱が急に出た場合は、まず医療機関を受診した方が良いでしょう。

インフルエンザの治療薬は、48時間以内に服用することで充分に効果が発揮されるといいます。

通常、発熱期間を1~2日短縮し、鼻や喉からウイルス排出も減らせるので、感染拡大も抑えられるのだそうです。

 

子どもがインフルエンザに感染した場合は、「学校保健安全法」で「出席停止」になることが定められているので、その期間内はしっかりお休みするようにしましょう。

 

休んでいる間は、睡眠をしっかりとることが重要です。

また、熱がある間は睡眠中も多くの水分が身体の中から出ていくため、こまめに水分補給をするようにしましょう。

 

インフルエンザは飛沫感染や接触感染によって家族内感染も起こしやすい疾患です。症状が治まってもウイルスが完全に死滅したとは限らないので、油断は禁物。感染後はインフルエンザにかかった本人も、その家族もマスク着用などの対策で感染が広がらないように気を付けましょう。

 

 

● まとめ

  1. インフルエンザはいわゆる「風邪」と似ている症状もありますが、重症化しやすく、感染力が強いことが特徴で、ハイリスク群に当てはまる方は特に注意が必要です。
  2. 寒く、乾燥するこの季節はインフルエンザ感染者が増える時期です。うがい・手洗い、温度や湿度の調整、栄養や休養の充実、人ごみの回避、マスク着用などで予防しましょう。
  3. 急な発熱など、体調の異変を感じたら、まずは医療機関を受診しましょう。

 

インフルエンザを予防して、平成最後の冬を元気に乗り切りましょう!

GERMANIUM CONTENTS