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北海道大学との共同研究の成果が発表されました!

2018.11.16

学会・論文

2018年7月27日(金)に、東京都で開催されました「第83回日本インターフェロン・サイトカイン学会学術集会」にて、北海道大学遺伝子病制御研究所と当社の共同研究の成果が発表されました。

 

日時    ;2018年7月27日(金)

発表番号  ;2-16

場所    ;東京都千代田区 秋葉原コンベンションホール

演題名   ;自然免疫系細胞内核酸センサーであるRIG-Iとそのリガンドの認識を制御する有機化合物の同定

発表者   ;佐藤 精一 先生(北海道大学遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野)

 

<研究の目的>

これまで、「アサイゲルマニウム(Ge-132)」には免疫調節機能や抗ウイルス・抗炎症作用などが報告され、インフルエンザなどの感染症に罹った際の延命作用も実験で確認されています。

本研究は自然免疫応答に対するアサイゲルマニウムの作用メカニズムを解明することを目的に行われました。

 

<実験1>

インフルエンザウイルスなどが保有する「5′-triphosphate RNA(3pRNA)」はRIG-I(注1)のリガンド(注2)であり、3pRNAがRIG-Iと結合することによってI型インターフェロン(IFN)(注3)が誘導されます。そのI型IFN誘導に対するアサイゲルマニウムの作用を検討しました。

図1

その結果、アサイゲルマニウムによって、I型IFNの誘導が抑制されることがわかりました。

 

 

(注1)RIG-I(リグ・アイ)

ウイルスのRNAを異物として認識するためのセンサー。リン酸基が3つ結合している1本鎖RNA(3pRNA)を認識する。

(注2)リガンド

特定の受容体に結合する物質。例えば、ホルモンや神経伝達物質など。

(注3)I型IFN(イチガタ インターフェロン)

数あるインターフェロン(IFN)のうち、α型(IFN-α)とβ型(IFN-β)の総称である。異物の侵入に反応して細胞が分泌する、抗ウイルス活性を持つ糖タンパク質。ウイルスを攻撃して炎症を起こす。

 

<実験2>

続いて、アサイゲルマニウムとRIG-Iシグナル伝達経路阻害の詳しいメカニズムについての探索と、細胞内においてもアサイゲルマニウムの作用が見られるのかを確認しました。

その結果、アサイゲルマニウムによってRIG-Iと3pRNAの結合が減弱することがわかりました。

図2

 

<実験3>

一方でインフルエンザウイルスの複製と増殖に対してのアサイゲルマニウムの影響を検討するために、plaque-forming assayと定量RT-PCR法を行いました。

その結果、RAW264.7細胞(注4)において、アサイゲルマニウムによってIFNが抑制されている、つまり抗ウイルス体制が弱まっているにも関わらず、インフルエンザウイルスの量やウイルスのヌクレオプロテイン(NP)のmRNAが減少する傾向にあることが明らかになりました。これにより、アサイゲルマニウムがウイルス複製を直接的に抑制している可能性が示唆されました。

図3

 

(注4)RAW264.7細胞
マウスマクロファージ様細胞。

 

<実験4-①>

最後にアサイゲルマニウムによってRIG-IシグナルによるIFN-β誘導を抑制する作用がマウスにおいても見られるか検討しました。IFN遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子に置換されているマウス(IFN-Lucマウス)に対して、RIG-Iのリガンド(3pRNA)で刺激し、アサイゲルマニウムを経鼻投与しました。

その結果、アサイゲルマニウムによってIFN-βの産生が抑制され、炎症が抑えられていることがわかりました。

図4

 

<実験4-➁>

また野生型のマウスに水疱性口内炎ウイルス(VSV)を感染させると、感染の1日後、3日後の血中のIL-6(注5)量がアサイゲルマニウムの濃度依存的に減少することがわかりました。

図5

上記2つの実験の結果、PBS(リン酸緩衝型生理食塩水)を投与したマウスと比較して、アサイゲルマニウムを投与したマウスはIFN-βや炎症時に作られるIL-6が抑制されることがわかりました。

 

(注5)IL-6

インターロイキン-6の略。炎症の急性期に増加する炎症性サイトカインの一種。ウイルス感染時にも増加する。

 

 

 

結果のまとめ

アサイゲルマニウムによって、

(1)I型IFNの誘導が抑制された

(2)細胞内でもRIG-Iと3pRNAの結合が減弱した

(3)ウイルス複製を直接的に抑制している可能性が示唆された

(4)IFN-βやIL-6の産生が抑制された

 

<結論>

以上の結果から、アサイゲルマニウムはRIG-Iとそのリガンドの結合を減弱させることによってRIG-Iシグナルを抑制し、I型IFN及びIL-6の誘導を抑制していることがわかり、また一方でウイルス複製を直接的に抑制する可能性があることも示唆されました。

 

インフルエンザウイルスに感染した場合、ウイルスに対抗する免疫反応によって、高熱や関節痛などの激しい炎症が起こり、それによって体力を消耗してしまうと言われています。アサイゲルマニウムはウイルスの増殖を抑える一方で、炎症反応を鎮めて、体力の消耗を防ぐ可能性があります。

このようなメカニズムは、ウイルス感染時における治療などへの応用が期待されます。

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